2011年9月8日木曜日

コミュニティ放送の主役は誰か?

ラジオといえば、「リスナー」を第一に考えて番組を作るものとばかり信じこんできましたが、コミュニティ放送の場合、そうとも限らないらしいです。

各地のコミュニティ放送局の方とお会いする中で、「市民が発信すること」「誰でも参加できること」を第一に考えていらっしゃる放送局もありました。

「ラジオ局があることで、市民が集まる・交流する。聴いてもらうことよりも参加してもらうことを優先して、街の活性化に貢献する。ラジオはあくまでも街を元気にするツール。」そんなことをおっしゃっている方もいました。

自分のコミュニティ放送との関わりを顧みると、メッセージやリクエストを送ったりして参加することはありましたが、きっかけは「聴くこと」であり、自分自身、常に「聴いてもらうための番組作り」を念頭に置いてあれこれ考えていました。

コミュニティ放送を制度化した総務省の公式サイトの説明を見ても、コミュニティ放送とは地域の情報を発信するところ。という目的は書いてありますが、具体的に誰が主役なのかはっきりしていません。
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/system/bc/commu/index.htm

「地域に貢献する放送」「市民が参加できる放送」という記述もありますが、「リスナーへの情報提供」という記述もあり…

個人的には、「市民が参加するラジオ」と「リスナーに聴いてもらうラジオ」は両立できないと考えています。
市民が制作したラジオ番組が面白くて聴いてくれるかと言ったら、必ずしもそうとは限りません。ラジオを聴く人は、いつも面白い番組をやっている局を聴くと思います。

リスナーに聴いてもらう放送を第一に考えると、市民の参加はある程度限定されてくるのではないでしょうか。

コミュニティ放送とは、ラジオとは…自分の中にあった答えがどんどん揺らいでいます。さらに多くの方の考えを知り、もっと悩んでみようと思います。

2 件のコメント:

  1. ついったーでお世話になっております!
    太田出版の「オーマイニュースの挑戦」という本・・・実際韓国で成功した”市民参加型”のインターネット新聞があります。記者とは何か?から始まった本です。是非お勧めします!
    記者やパーソナリティーという地位の人だけが情報を伝えるのではなく「みんなのための情報」を提供してくれる人々が発信する世の中が必要かもしれませんね。

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  2. >きゃなちゃんさん

    なぜかスパムボックスに入っていて気づきませんでした。コメントありがとうございます。

    私の大学で地域情報の授業がありまして、そこでも市民記者の事例が紹介されていました。日本では市民記者が書く記事の質の問題と、そこから派生する広告収入の問題で商業化は難しいと先生が仰っていました。
    韓国の事例は知りませんでしたので参考にさせていただこうと思います。あちらではインターネットを使った犯罪告発も盛んだそうですし、その辺りと関連していそうで興味深いです。

    現代は誰もが情報を発信できる時代ですが、それを生業とできるかどうかが大きな課題だと思います。
    これまでのメディアは広告収入で成り立っていましたが、「みんなのための情報」をみんなが欲しているのであれば、受益者負担…このモデルにシフトしていくのかな、なんて最近考えています。

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